ユーロ下落、リスク回避背景に


8/5 日
ユーロがスイスフランに対する過去最安値を更新した。欧州中央銀行は財政難のユーロ加盟国の国債買い入れの再開を決定したが、投資家やユーロの安心材料となることはなく、欧州債務問題が悪い方向に向かうとの懸念が市場に広がったためとみられる。日本の通貨当局が他の主要国の支援を得ないまま予想外の円売り介入を実施したため、当初の市場の関心はこれに奪われた。しかし、世界のソブリン債務問題が続く中で高利回り資産が活発に売られたため、ユーロの支えは損なわれ、全般的に安全逃避のドル買いが優勢となった。 世界経済の見通しが悪化する中、ECBは大方のアナリストの予想通り、政策金利を据え置いた。しかし、不透明感の大幅な高まりを認めるなど、ややハト派的な表現を使ったため、これを政策変更として受け止めた投資家を混乱させた。特に、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを悩ます諸問題が間もなくスペインとイタリアに広がる可能性があるとの懸念が強まる中、いくぶん高いユーロ圏の政策金利は、ユーロを保有する投資家にとって唯一の動機付けになってきた。その結果、ECBは金融引き締めにそれほど積極的ではないかもしれないとの認識が、ユーロに打撃を与えている。 ECBは財政難のユーロ加盟国の債券を買い入れたものの、イタリアとスペインの債券を下支えする措置を何も講じておらず、この理由を疑問視する向きもあった。イタリアとスペインの2カ国は、ユーロ圏最大の加盟国であり、現在は不安感を背景とした売りの対象になっている。ECBの4日の行動は「ユーロにとって悪材料だった」と述べた。世界経済が低迷に向かい、インフレが低下しているようにみられる中、「金融政策の引き締めを行う根拠は減っている」と指摘した。米国株式市場は取引終盤に活発な売り相場となり、ダウ工業株30種平均が500ポイント以上も下げる中、多くの問題を抱えるドルは、最後の切り札ではあるものの安全逃避先としての地位を取り戻した。スイスと日本の当局は自国通貨の上昇を食い止めるための取り組みを実施したが、スイスフランと円はいずれも最大の安全資産となっている。



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