円全面安、対ドル2年5カ月ぶり安値圏-安倍政権の政策期待で - 12.28 日


円が対ドルで約2年5カ月ぶりの安値圏で推移。安倍晋三政権の円高是正・脱デフレ策への期待を背景に、円全面安の流れが続いている。 27日の海外市場で、円は1ドル=86円台へ下落。86円15銭の安値を付けた後はもみ合いになっていたが、28日の東京市場にかけては再び円売りが活発となり、一時86円64銭と2010年8月3日以来の安値を付けた。その後は円売りも一服し、午後2時現在は86円43銭前後。 円は対ユーロでも一時1ユーロ=114円70銭まで下落し、海外時間に付けた昨年7月11日以来の安値を更新。同時刻現在は114円46銭前後で取引されている。 一方、米国では6000億ドル(約52兆円)以上の歳出削減と増税が年明けに重なる「財政の崖」問題の期限が迫っている。 オバマ米大統領は、民主、共和両党の議会首脳と28日にホワイトハウスで会談する。財政協議は年内妥結の期限が迫っている。 下院共和党指導部は、同院が30日に審議を再開することも明らかにした。6000億ドル(約52兆円)以上の歳出削減と増税が年明けに重なる「財政の崖」回避に向け、議員らは協議の行き詰まりの打開を目指している。 27日の海外市場では、リード民主党上院院内総務が「財政の崖」問題の年内解決の可能性は低いようだと発言したのを受け、米国株が下落。リスク回避の動きからドル買いが強まり、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.32ドル後半から1.3200ドル付近までドル高に振れる場面が見られた。もっとも、30日の下院での審議再開が明らかになると、米株が急速に下げ渋り、ドルも反落。ユーロ・ドル相場は1.32ドル前半へ値を戻し、この日の東京市場では1.32ドル半ばへドルが弱含む展開となっている。

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