円が上昇、対ドルで100円台後半-株価動向にらみ上下に振れる - 5.30 日


円が対ドルで1ドル=100円台後半に上昇した。欧米株の下落などを背景にリスク回避の円買いが先行して始まった後、日本株の動向をにらみ101円を挟んで上下に振れる展開となり、午後は株価の下落幅拡大を受けて円がじり高に推移した。 ドル・円は午後の取引で100円56銭と、朝方に付けた10日以来の高値(100円59銭)を更新し、3時10分現在は100円85銭前後。一方、金融機関の仲値公表が集中する午前10時前後には株価の下落幅縮小とともに円売りが優勢となり、一時101円54銭を付ける場面もあった。 日本株と円相場の動きについて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「日本株の上下動によるリスク許容度が影響している。株のボラティリティ―が高いので、為替もこれまでのスピード調整の動きとなっている」と指摘した。 財務省が朝方発表した対外・対内証券売買契約などの状況(週間、指定報告機関ベース)では、日本の投資家が19-25日の週に海外の中長期債を2週連続で売り越したことが確認された。円相場は同統計の発表前後に買われる場面があったものの、上昇幅は限定的だった。 植野氏は、「対内対外証券投資は、為替ヘッジをつけた銀行部門の証券売買も含まれていて、材料としては見にくい」と言い、為替相場にとっては株価動向が変動要因と説明していた。 前日のドル・円は、ニューヨーク市場で米国の長期金利や株価の低下を背景に一時100円72銭と24日以来の水準まで円高・ドル安が進んだ。オンライン為替取引オアンダのアナリスト、ディーン・ポップルウェル氏(トロント在勤)は「株式相場が軟調で、安全資産通貨を買う口実になっている」と指摘していた。

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