ドル・円は98円前半、シリア情勢など不透明要因で値動き限定 - 8.30 日


ドル・円相場が1ドル=98円台前半で推移した。シリア問題や米量的緩和の縮小時期をめぐる不透明感が根強い中、ドルの値動きは限定的だった。 午後3時55分現在のドル・円相場は98円22銭前後。29日の海外市場では4-6月の米実質国内総生産(GDP)が予想以上の上方修正となったことなどを手掛かりに、一時98円52銭までドル買いが進んだが、この日の東京市場では朝方に98円48銭を付けた後、一時98円08銭まで伸び悩むなどややドルの上値が重い展開となった。 新生銀行執行役員で市場調査室長の政井貴子氏は、シリア問題をめぐっては「米国がどうするのかまだよく分からない」状況で、米量的緩和の縮小時期についても「これだけ不確定要素が多い中で本当にわざわざ9月にやるのかというのも個人的には疑問に思う」と指摘。米国の債務上限問題や日本の消費増税の行方といった不透明要因もある中で、9月もドル・円はトレンドが出にくい状態が続く可能性が高いと話した。 ユーロ・ドル相場は海外時間に一時、1ユーロ=1.3220ドルと2週間ぶりの水準までユーロ安・ドル高が進んだが、この日の東京市場では1.32ドル台前半から半ばでの小動きに終始。ユーロ・円相場はもみ合いながらも円買いがやや優勢で、1ユーロ=130円ちょうどを割り込む場面が見られた。 この日は朝方に消費者物価指数(CPI)などの国内指標が発表されたが、市場で目立った反応は見られなかった。7月の全国CPI(生鮮食品を除くコア指数 )は前年同月比0.7%上昇と2カ月連続のプラスとなり、市場予想(同0.6%上昇)を上回った。また、7月の鉱工業生産指数 は前月比3.2%上昇し、2カ月ぶりのプラスとなったが、市場予想(同3.6%上昇)を下回った。 一方、米国では7月の個人消費支出や8月のシカゴ製造業景気指数などがこの日発表される。また、来週は注目の雇用統計など米量的緩和の縮小時期を見極める上で鍵となる経済指標の発表が相次ぐ。

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