ECBの利上げ期待受け、ユーロがドルに対し上昇 - 3.3 日


ユーロがドルに対し4カ月ぶり高値へ上昇した。インフレに対して強硬姿勢の欧州中央銀行は、ユーロ圏と米国の政策金利差をさらに広げるとの見方が強まったためとみられる。 中東・北アフリカで激化する危機を投資家が懸念したため、ドルは安全通貨のスイスフランに対しても、0.9202フランの過去最安値に沈んだ。

金利差もスイスフランに有利に働いたと、アナリストらは指摘した。一部のアナリストは、スイス国立銀行(中央銀行)の利上げ見通しを前倒ししているため、投資家は(利上げが)米国よりも先になるとの観測を強めた。あらゆる注目が3日のECB定例理事会に集まるなか、ユーロは心理的に重要な節目の1.3900ドル近辺まで上昇した。トリシェECB総裁は理事会後の記者会見で、近い将来の利上げを示唆すると予想されている。

バーナンキ議長は2日に下院金融委員会で証言し、高水準の失業率や低迷する住宅市場をよそに、初期段階の景気回復は勢いを増しつつあるとの見解を示した。ただ、持続的な回復を確かなものとするために、FRBは依然として米経済が金融政策の支援を必要としていると確信しているとも語った。

ただ、適切な時期が来れば、FRBには金融政策を引き締める用意があると述べた。トリシェ総裁が最近のECB関係者の発言に同意するなら、利上げが近いことを示唆することになり、ユーロの投資妙味はドルを上回るだろう。FRBが政策金利をゼロ近辺にとどめているため、ドルは圧迫されている。

金利差を背景にドルは英ポンドに対しても下落した。英国ではインフレが高まっているため、英中銀イングランド銀行は物価上昇圧力を抑えるべく間もなく利上げを強いられる公算が大きい。

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