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ユーロ反発、ソブリン債務懸念が保留され - 5.18 日
ユーロ圏の債務危機への新たな懸念が見え隠れしたことで、ユーロは5月4日の1.4900ドル超の水準から16日には1.4100ドルを割り込んだ。ギリシャの債務再編観測や、ポルトガルへの金融支援が鈍ることが懸念されるなかで、ユーロは軟化してきた。
しかし、ユーロ圏各国の財務相らは今週、ポルトガルの救済に合意した。また、ギリシャの債務問題は来月まで解決する可能性は低い。このため、市場参加者らはユーロを下支えする根本的な基礎的条件に関心を戻し始めている。
米国4月の住宅着工件数は、前月比で10.6%減少した。エコノミストらは2.7%の増加を予想していた。FRBはこれまで常に、金利をゼロ近辺に抑える理由のひとつとして、住宅市場が弱いことを挙げてきた。この超低金利政策がドル相場を圧迫し続けている。
さらに、米国経済のなかでも明るい部分のひとつだった製造業も、4月は足踏みした。4月の製造業生産は前月比0.4%減と、10カ月ぶりに減少した。東日本大震災の影響が米国自動車産業にも及んだ。