ドル安、景気減速懸念背景に - 5.27 日


米国経済の成長鈍化と軟調な労働市場関連統計が、一時的にユーロ圏の債務危機を圧倒し、ドル相場を損ねた。ドルとユーロはこれまで、最も魅力のない主要通貨という地位をめぐって争う、「ブサイク犬コンテスト」のような戦いを繰り広げてきた。この日も、軟調な米経済指標と欧州のソブリン債務に関する混乱が競い合い、ドルとユーロは最も投資妙味のない通貨の座を争った。ギリシャは3,000億ドル以上相当の多額の債務を再編する必要があるとの懸念が広がる中、投資家は現在、米国経済の減速見通しと格闘している。 米商務省が発表した1-3月期の国内総生産は年率換算1.8%成長となった。一方、米労働省が発表した5月21日までの1週間における失業保険新規申請件数は、前週比1万件増の42万4,000件に達し、エコノミスト予想を上回った。欧州の小規模経済国は厳しい状況にあるが、欧州中央銀行の利上げをもって物価上昇圧力を阻止するとの決意は、ドルの代わりとしてのユーロに投資家を引きつけ続けている。 ユーロ圏の金利上昇は、数週間前ほどユーロを大きく押し上げていない。しかし、FRBの量的緩和策はドル相場を損なうとともに、ユーロ圏の債務危機が解決策を見いださないまま拡大しても、ユーロの魅力を高めてきた。ユーロは不安定な取引の中で上昇したが、各市場では欧州に関する動きが引き続き懸念されている。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相)が、ギリシャに対する財政監査において、同国が向こう12カ月間の資金を保証できないことが明らかになると、財政支援の次の融資分の受け取りを拒否される可能性があると述べ、ユーロは一時下落した。

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