S&PがイタリアをシングルAに格下げ―ユーロ危機対応困難で - 9.20 日


米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は19日、イタリア国債の格付けを1ノッチ引き下げ「シングルA」とした。経済成長の弱さと連立政権の脆弱(ぜいじゃく)さのために、高まるユーロ圏危機の阻止が難しいことが理由という。ユーロ圏3位の経済規模を持つイタリアは欧州債務危機拡大の影響や10年以上にわたる国内の成長停滞に取り組んできたが、今回のニュースは同国がさらに後退したことを示す。 シングルAの格付けは、投機的等級より5段階高い。アウトルックはネガティブに据え置かれた。経済成長に対する見通しが悪化している上、政府が分裂しているため議会がこうした課題に断固として対応する力は限られる公算が大きいことを反映している。S&Pのイタリア国債格付けはムーディーズやフィッチより低い。今回の格下げで、ムーディーズに対して同国の格下げを求める圧力がさらに強まる可能性がある。ムーディーズは10月半ばまでに同国格付けの見直しを完了する予定。イタリアに対する現在の格付けはS&Pより3ノッチ、フィッチより1ノッチ高い。 イタリアは、債務危機が高まるなか格下げされそうなユーロ加盟国としては群を抜いて大きい。1兆9000億ユーロ(約199兆7900億円)の公的債務はギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランドの債務の合計よりも大きいため、大きくて救済できない存在になっている。イタリアは国内総生産の120%に相当する債務をほぼすべて国債発行で賄っている。9月から年末までの間に資金需要を満たすには、1113億ユーロ相当の起債が必要になる。

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