ドル/円は一進一退、米景気懸念で日銀会合後に円高リスク=来週の外為市場 - 4.20 日


来週の外国為替市場で、ドル/円は一進一退となりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会合と重要イベントが相次いで開催される。日銀の追加緩和が織り込まれているだけに、米景気回復への疑念を背景に日銀会合後にドル安・円高に振れるリスクが指摘されている。ただ、80円を割り込むほどの円高予想は多くない。一方、今週復調を遂げたユーロは、日米の重要イベントに左右されそうだが、格付け機関の動きなどユーロ圏各国の財政不安をかき立てるニュースを警戒する向きもいる。  予想レンジはドル/円が80.00─82.50円、ユーロ/ドルが1.3050─1.3200ドル。日銀の追加緩和をめぐっては、非常に早い段階から市場で織り込みが始まった。日銀は9―10日に4月1回目の金融政策決定会合を開催したが、開催期間中の9日には早くも27日の追加緩和決定を示唆する報道があった。その後、幾度も緩和策の内容が報じられたのみならず、今週には日銀の正副総裁がそろって強力な金融緩和の推進を言明。過度の円買いは阻まれ、19日のニューヨーク時間には市場予想よりも悪い米経済指標が続出して米金利が低下する中でも、ドル/円は底堅く推移した。  市場では「追加緩和が決定される」といった漠然とした期待感はもとより、具体的にどういう緩和策が出てくるかという点まで織り込む動きが強まっている。19日には大手邦銀の関係者が「資産買入基金10兆円増額なら円売り」と話していたが、翌20日には「資産買入基金10兆円増額だけなら円買いリスク」と予想するFXストラテジストが出てきた。市場の決定内容をめぐる見方は日々変化しており、日銀の金融政策決定会合が行われる27日まで関連報道を注視する必要がある。市場の織り込み度合いにより、決定内容が公表された際のプライスアクションは異なってくるとみられる。  さらに、今回は「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」のほか、白川方明日銀総裁の会見も見逃せない。たとえ日銀が、高まる市場の期待を上回る追加緩和策を出してきても、会見を通じて「緩和打ち止め感が台頭すれば、円買いにつながりかねない」(大手邦銀)との見方が出ている。

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