トレーディング心理学


FXトレーダーは、市場で他のトレーダーを打ち負かすだけでなく、自分自身に勝たなくてはなりません。トレーダーの最大の敵は自分自身であることが多いのです。私たち人間は生まれつき感情に動かされやすいものです。私たちの自我は自分が正当であると認めて欲 しいのです。自分自身に対して、自分が何をしているかを知っており、自分のことは自分でやれることを証明したいのです。また、私たちは生まれつき生存本能 を持っています。

すべての感情と本能が組み合わさってトレードを成功させることも時にはあります。しかし、たいていの場合、感情をコントロールする術を学ばない限り、感情に打ち負かされてトレードで損をしてしまいます。多くのFXトレーダーは、感情を完全に排除するのが理想だと考えています。残念ながらそれは殆ど不可能であり、また感情のなかには実際、パフォーマンスの改善に役立つものもあります。トレーダーとしての自分自身を理解することが最善策です。自身の長所と弱点を認識し、自分に適したトレードスタイルを選ぶよう にしましょう。

本編では、トレードの結果に影響を及ぼし得る次の4つの心理的バイアスについて学び、またこれらを克服するにはどうすればよいかを学びます。

過信バイアスは、FXトレーダーとしての自分の腕前への慢心です。自分はすべてを理解している、もう学ぶべきことはない、外国為替市場で必ずお金が儲かると考えていることに気づいたら、それはおそらく過信バイアスにとらわれています。

自信過剰のトレーダーは、頻繁に取引を行い過ぎる、またはホームランを狙って極端に大きな取引を行うことによって面倒な 事態に陥る傾向があります。自信過剰のトレーダーは次から次へ取引に手を出し、自分のアカウントを攪乱するか、または1つの取引にあまりにも多額のお金を かけ、失敗して殆ど全財産を失ってしまうという結果になるのを避けられません。

自信過剰の傾向があるかどうかを知りたければ、「ちょうど損切りさせたれたばかりの取引に、別のチャンスを見つけたからだけではなく、自分が間違っていたと信じられなかったので、もう一度手を出したことがあっただろうか?」と自問してください。 また「うまくいくと確信していたので、ある1つの取引に通常より多く投資したことがあっただろうか?」と自問することもできます。そのような経験がある場合は、このような傾向があることを意識する必要があります。

過信バイアスを克服する最も良い方法は、厳格な危機管理規則を設定することです。この規則は少なくとも投資する市場の数及び一度に取引する通貨ペアの数に制限を設けているべきであり、また1件の取引にアカウントをどの程度危険にさらす用意があるか、取引を中断して、取引戦略を再評価する前にアカウントをどの程度失う用意があるかを定めていなければなりません。取引したい件数と危険にさらす用意のある金額を制限することによって、リスクをポートフォリオ全体に分散させることができます。

固定観念バイアスは、将来も、現在と非常に良く似た状況が続くだろうと考える傾向です。現在の状況に固執しすぎると、為替相場の変動と、基礎となっているファンダメンタルズの変化によって起こり得る劇的な変化を見逃すことになります。 固定観念を持つFXトレーダーは、現在のトレンドが決して終わらず、ある国の経済の強さが反転することなど殆どあり得ないと確信することによって面倒な事態に陥る傾向があります。ある通貨ペアの以前のトレンドに愛着を感じ、新しい現在のトレンドに逆らった取引を続けるのです。トレンドに逆らって取引をしているので、取引をするごとにお金を損してしまいます。

固定観念を持っている傾向があるかどうか知りたければ、「トレンドが終わったことを受け入れられなかったためにお金を失ったことがあっただろうか?」と自問してください。そのような経験がある場合は、このような傾向があることを意識する必要があります。

固定観念を克服する最も良い方法は、複数の時間枠でチャートを見ることです。通常、1時間刻みのチャートを使用している場合は、1日と1週間のチャートをときどき見て、どこに長期的なレベルのサポートとレジスタンスがあり、長期トレンドはどのような様子かを調べてください。また、短期チャートを見て、どこで短期トレンドが逆転しているかを見てください。視野を広げると、固定観念に陥るのを防いでくれます。

確証バイアスは、既に持っている信念を裏付ける情報だけを探す傾向です。例えば、USDJPYが上昇すると信じている場合、その信念を支えてくれるニュース、専門的な経済指標、基本要因を探すでしょう。

自分の信念の確証を積極的に追及しすぎるトレーダーは、普通だったら不必要な損失から守ってくれたはずの重要な兆候を見逃す傾向があります。自分の信念を確証する事例を構築しようとして、トレーダーは事実を見逃してしまうのです。究極的にはそれによってトレンドに逆らうことになり、誤った考えに基づく取引によってお金を失ってしまうのです。

確証バイアスを探す傾向があるかどうかを知りたければ、「どのくらいの頻度で、分析が間違っているかもしれないという兆候を探しているだろうか?」と自問してください。その答えが「めったに」または「一度もない」だったら、確証を探している可能性があり、そのような傾向が あることを意識する必要があります。

確証バイアスを克服する最も良い方法は、ご自分の取引について話すことのできる誰か、またはグループを見つけることです。望ましいのは、ご自分の取引について話す人、またはグループが必ずしもあなたに同意しないことです。さまざまな見解や考えを持つトレーダーと話すことで、取引を多角的に見ることができるようになります。時には、他のトレーダーと話すことによって確信を強めるでしょう。また、取引パートナーと話すことによって考えが変わることもあるでしょう。心を広く開いておくと、新しい動きを捉え、冗長な信念を長く保持しすぎるのを回避できます。

損失嫌悪バイアスは1,000ドルを失うことに起因する苦痛の方が1,000ドルを得た喜びよりも大きいという理論に基づいています。換言すれば、恐怖は欲よりも強いということができます。

損失を恐れるトレーダーは、短期的な損失を受け入れ、より利益の出る取引に移行できるトレーダーよりも損をするポジションに固執する傾向が強いです。損失を生じるポジションに固執すると、ポートフォリオの安定性が危険にさらされます。もっと重大な損失をこうむるだけでなく、このような行動をとると、より良いトレードができなくなるからです。

損失嫌悪の傾向があるかどうかを知りたければ、「保有している通貨ペアのトレンドが好転して損失を帳消しにしてくれることを望むあまり売るべき時点を越えて損失の出ている取引に固執したことがあっただろうか?」と自問してください。そのような経験がある場合は、このような 傾向があることを意識する必要があります。

損失嫌悪バイアスを克服する最も良い方法は、実際にストップ・ロス・オーダーを設定して取引することです。多くのトレーダーは心理的なストップ・ロスで取引すると自分に言い聞かせています-つまり彼らが考えているストップ・ロスで、通貨ペアの価格がそこに達したら行動を起こすと心に決めているストップ・ロス・レベルです。しかし、極めて多くの場合、トレーダーはその心理的ストップ・ロスに従って行動するのに失敗するのです。彼らは感情に任せて、逆転が起こるまで取引を続けるという選択を合理化し始めるのです。取引を始めたらすぐ、ストップ・ロス・オーダーを設定すべきです。決して感情的にならないでください。

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