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暗号資産市場、17億ドルの清算で打撃を受ける

仮想通貨市場は今年最大級の急落を経験し、過去24時間で約17億ドルのレバレッジポジションが清算されました。その大半、16億2000万ドルはロングポジションからのもので、高値圏に賭けていたトレーダーが突然の下落に不意を突かれたことを示しています。
わずか4時間で10億9000万ドル以上のポジションが消滅しました。その中には、OKXにおける1270万ドルのBTC-USDT注文1件も含まれていました。市場心理はいかに急速に変化するか、その速さが伺えます。
注:清算は、トレーダーが証拠金要件を満たせず、取引所が強制的にポジションを決済した場合に発生します。
この急落により、ビットコインは一時2.5%下落して11万2890ドル、イーサリアムは一時6.2%下落して4196ドルまで下落しました。最近の取引では、ビットコインは11万2418ドル付近、イーサリアムは4157ドル付近で推移しています。
アナリストは以前、FRB(連邦準備制度理事会)の9月の金利決定が転換点となる可能性を指摘していました。FRBは25ベーシスポイントの利下げを実施し、当初は暗号資産ファンドへの資金流入を後押ししました。しかし、タカ派的な利下げにもかかわらず、市場では強気相場の息切れの兆候が見られます。
ボラティリティはあるものの、資金流入は堅調に推移
特筆すべきは、先週の暗号資産投資商品への純流入額が19億ドルに達し、2週連続で買いが堅調だったことです。米国ファンドが18億ドルの資金流入と最も多く、中でもブラックロックのビットコインスポットETFは8億6,680万ドルの資金流入でトップを占めました。
イーサリアムファンドへの需要も堅調で、7億7,200万ドルの資金が流入しました。また、SolanaとXRPのファンドはそれぞれ1億2,730万ドルと6,940万ドルの資金流入がありました。
その結果、運用資産総額は年初来で過去最高の404億ドルに達しました。機関投資家は短期的なボラティリティにもかかわらず、保有残高を拡大し続けています。
トレーダーにとってのポイント
レバレッジポジションの解消は、市場がロングポジションに急速に反動する可能性があることを示唆しています。
利下げは理論上は市場を支える材料となりますが、強気の勢いが継続することを保証するには不十分です。
機関投資家からの資金流入は信頼感を示唆していますが、スポット価格は市場疲労を示唆しています。