市場概観 - ページ 112


影を潜めていたユーロ圏のソブリン債務問題が再び注目を集め始める中、ドルは全面高となった。 欧州中央銀行がインフレ圧力を抑えるために間もなく利上げに踏み切るとの観測を背景に、ユーロはここ数日ドルに対して急上昇してきたが、この日のドル高はユーロの見通しが急に変わったことを反映するものだ。

ユーロ圏のソブリン債危機に関する懸念が再燃し、投資家がユーロから資金を引き揚げたため、ドルはユーロに対して若干反発した。 中東・北アフリカの地政学的混乱が拡大するとの懸念が強まったため、各市場にリスク回避の波が押し寄せ、米国株式市場は下落し、ドルに安全逃避の買い需要が集まったようだと、一部の市場関係者は指摘した。リビアでの激しい戦闘は同国の石油インフラに被害を与えかねないとの懸念を背景に、原油先物価格は上昇した。週内にサウジアラビアで複数の抗議活動が予定される中、投資家は高リスク通貨を回避した。

外国為替市場では、ユーロが昨年11月以来の1.4000ドル以上の水準に急伸した。米国2月の雇用統計がやや期待はずれだったことや、ユーロ圏での利上げ期待が続いたことに投資家が反応した。一方、北アフリカと中東での混乱が激化し、原油相場は押し上げられ、投資家はスイスフランや金などの安全資産に逃避した。

欧州中央銀行のトリシェ総裁がユーロ圏の利上げ期待を高める発言を行ったことから、ユーロがドルと円に対して急伸した。ユーロは、中東情勢の緊迫化やユーロ圏でくすぶる債務問題をよそに、じり高となっていた。上昇の背景には、原油などの商品相場の上昇に対処するため、 ECBが米連邦準備制度理事会(FRB)よりもかなり早期に利上げに踏み切るとの期待がある。利上げは、経済に悪影響を与えないとみなされれば、その国の通貨の価値を押し上げる可能性がある。

ユーロがドルに対し4カ月ぶり高値へ上昇した。インフレに対して強硬姿勢の欧州中央銀行は、ユーロ圏と米国の政策金利差をさらに広げるとの見方が強まったためとみられる。 中東・北アフリカで激化する危機を投資家が懸念したため、ドルは安全通貨のスイスフランに対しても、0.9202フランの過去最安値に沈んだ。

堅調な米製造業指標とバーナンキ米連邦準備制度理事会議長の慎重ながらも楽観的な経済見通しを受け、ドルがユーロに対して上昇した。2日にバーナンキ議長が2日目となる議会証言に臨み、3日には欧州中央銀行定例理事会が開かれ、その後トリシェECB総裁が記者会見を予定していることから、市場の注目はなおこうしたイベントに集まっている。

ユーロがドルに対して上昇した。金利差拡大への期待がユーロの投資妙味を高めたため、ユーロは3週間ぶり高値をつけた。インフレへの対応において各国中央銀行に相違が見られることが注目されるなか、中東・北アフリカの混乱に対する懸念は一時的に後退した。 この日最も上げ幅が大きかったのはスウェーデンクローナで、ユーロとドルに対して1%超も上昇した。スウェーデンのリクスバンク(中央銀行)が発表した最新の金融政策会合議事録で、予想外にインフレへの積極姿勢を示したことが背景とみられる。

北アフリカと中東の地政学的不透明感が引き続き投資家の懸念材料となりつつも、リスク志向がやや回復するなかで、ドルはユーロとスイスフランに対して上昇した。ユーロ圏での今後の利上げ期待が、このところユーロ高を進めてきたものの、アイルランドの総選挙が利上げ観測を圧倒し、ユーロを圧迫した。

中東や北アフリカで混乱が続く中、トレーダーらはスイスフランや円などの逃避通貨を選好したため、ドルは全面安となった。一方、欧米の金利差拡大の見通しから、ユーロはドルに対し3週間ぶりの高値へ上昇した。リビアでの暴動拡大を受け、中東の政情不安がイランやサウジアラビアなどの産油国にさらに波及しかねないとの懸念が強まったため、ドルは0.9234スイスフランの過去最安値を付けた。 スイスフランは、地政学的リスクが浮上する局面では逃避通貨として最も人気が集まる。スイスフランはこの日、ユーロに対しても上昇した。円も逃避通貨と見なされていることから、ドルとユーロに対して小幅上昇した。

中東の混乱や原油価格の急騰、欧州の利上げ見通しを背景に、安全逃避先通貨としてのドルの魅力が低減したため、ドルは主要通貨に対して大幅下落した。 リビアでの衝突や近隣諸国の大変動を懸念する投資家は、スイスフランや日本円などの安全逃避先通貨を買った。ドルはスイスフランに対し、過去最安値近くまで下げた後、やや持ち直した。リビアの政治混乱は、世界のエネルギー供給を損なうとともに、ほかの中東諸国に波及する可能性があるとの懸念が高まったため、23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所では、原油価格が2008年10月以降で初めて一時1バレル=100ドルをつけ、その後やや下落した。原油価格が1バレル=125ドルを超えれば、米国の景気回復が失速しかねないと懸念する向きもある。