市場概観 - ページ 116


ユーロが当初の勢いを維持できず、ドルに対して小幅高で取引を終えた。ポルトガルの国債入札を控え、投資家が慎重な姿勢に転じたためだ。

ユーロが小幅反発し、ドルと円に対して4カ月ぶり安値から持ち直した。欧州の債務危機に対する懸念が一時的に緩み、先週ユーロを手放したトレーダーが買い戻しに動いた。 だが、ユーロ圏の国債市場で緊張が高まれば、ユーロの反発は一過性のものとなりかねないと、アナリストらは警告した。一方、日本が祝日で薄商いとなる中、ドルは米国債利回りの低下を受け、円に対しては下げ圧力がかかった。

 ポルトガルが5日行った総額5億ユーロ(約548億円)の6カ月物国債入札は成功したが、落札利回りは昨年9月時点に比べて大きく上昇した。同国は救済が必要かもしれない、と投資家が依然懸念していることがうかがえる。 一方で、欧州連合の行政執行機関、欧州委員会が同日実施した、アイルランド救済資金調達の50億ユーロの債券入札では旺盛な需要が見られた。この入札はEUによる加盟国支援への投資家の支持が得られるかどうかの重要な試金石であり、今後2年間での数十億ユーロの起債の第1号となる。

ユーロが一時1.3000ドルを割り込み、1カ月超ぶりの安値に下落した。米景気回復への楽観的な見方が、投資家にユーロ売りを促したためとみられる。5日発表された米国12月のADP雇用推計で民間部門の雇用者数が予想を大幅に上回る伸びを示したことから、7日発表の12月雇用統計は長く低迷していた労働市場の改善を示すかもしれないとの期待が高まり、ドルを支えている。ほかの経済指標も米国の極めて活発な景気拡大を示してきたが、これまでは持続的な雇用創出は実現していない。

米国12月のADP雇用推計が楽観的な内容となり米経済の回復傾向が示されたことで、ドルは全面高の展開となった。ADP雇用推計で民間部門の就労者数が予想を大幅に上回ったことから、低迷が続く米労働部門に希望の光が差し込んだ。今後も米雇用市場の改善を裏付ける経済指標が発表されれば、ドルはさらに一段高になるかもしれないと、アナリストらは述べた。

米国の経済成長が加速している兆しが新たに示されたことを受け、ドルが大半の主要通貨に対して上昇した。米商務省が発表した11月の製造業受注は予想外に増加し、米連邦準備制度理事会は連邦公開市場委員会議事録で、ここ数週間の統計に示される景気回復は続くはずだとの見解を示した。金や銅、原油などの商品価格が大幅下落したことも、商品関連通貨を圧迫し、ドルを下支えした。

好調な米経済指標を受けトレーダーが高利回りのリスク資産に資金を振り向けたことから、ドルは朝方の上げを解消し、ユーロに対して下落した。 米12月のサプライ管理協会製造業景況指数が再び上昇したことで、投資家のドル離れが加速した。米12月のISM製造業景況指数は57.0となり、市場予想の57.1にほぼ沿う形となった。米製造業部門はここ数カ月堅調な成長を見せており、景気回復ペースが持ち直す可能性を示唆している。米11月の建築支出も3カ月連続で上昇し、米経済成長に明るい兆しとなった。

韓国、マレーシア、タイの中央銀行は30日、外国為替市場に介入したとみられる。中国の好調な経済指標と人民元上昇が続く兆しを受けてアジア経済に対する楽観的な見方が広まり、アジア通貨の対ドル相場が上昇したためだ。これに対し台湾は、海外資本の急速な動きに対して銀行システムを強化する方針を明らかにした。アジアでは、資本流入によるリスクを抑制するための規制強化が相次いでいる。

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