市場概観 - ページ 97


ユーロが主要通貨に対して下落した。ギリシャ危機が尾を引き、経済問題の新たな兆しが浮上するなか、悪材料の大半が依然としてユーロに集中した。ギリシャに対する第2次救済のとりまとめを欧州諸国の高官らが急いでいるものの、夏の間1.40ドル台で推移していたユーロは、1.30ドル〜1.35ドルに水準を切り下げる見込みが強まっているようだ。秋が深まりつつあるなか、長引いているユーロ圏の債務危機に対する解決は不確かに思われ、暗い景気見通しは一段と暗さを増すばかりだ。...
円が対ドルで1ドル=76円台半ば付近を中心に、前日の海外市場で付けた2週間ぶりの安値77円03銭から水準を切り上げて推移した。ギリシャの財政再建をめぐる不透明感を背景に欧州経済の先行き懸念が根強いことから、リスク回避に伴う円買い圧力がくすぶった。円は対ドルで朝方に付けた76円86銭を下値にじりじりと水準を切り上げ、76円台半ばまで上昇。午後の取引で一時76円50銭を付ける場面も見られた。午後3時55分現在は76円67銭付近で取引されている。前日の海外市場では、米欧発の材料を受けてリスク回避の動きが緩和し、一時77円02銭と15日以来の水準までドル高・円安が進んでいた。...
ギリシャ債務危機の包括的解決への期待が後退したため、ユーロはドルに対して小幅下落した。欧州金融安定ファシリティーの拡充を承認するフィンランド議会の重要な採決を控え、ユーロは欧州市場で1週間ぶりの高値圏まで上昇した。だが、フィンランドがEFSF拡充を承認したものの、ユーロはすぐに下落し始めた。域内債務国にさらに大きな障害が待ち受けているとの見方が浮上したためだ。 29日にはドイツ連邦議会がEFSF拡充を採決する。ドイツも拡充を認める公算が大きいとはいえ、ドイツのメルケル首相率いる中道右派連立与党が同法案の可決に必要な過半数を確保するためには、野党の協力がなければ危うい状況にある。だが野党議員の協力をあてにすれば、今後ユーロ圏債務国へのさらなる支援を可決する可能性が弱まるかもしれない。欧州最大の経済国であるドイツは、ユーロ圏債務国救済に向けた取り組みが持続的なユーロ安を助長しているのではないかと疑念を抱いている。今週、ユーロは比較的小さなイベントによって大きく変動する傾向が強く、26日には8カ月ぶりの安値を更新したが、その後は反発してきた。...
ギリシャはユーロ圏加盟国からの借り入れを通じた新たな支援の受け入れにやや近づくなか、ユーロは上昇した。スロベニアとギリシャの議会では、救済基金の拡充が承認される一方、ギリシャ議会は新たな不動産税を可決した。市場では、これらの動きはギリシャのデフォルト(債務不履行)を防ぐために必要な措置とみられている。 スロベニアは、ユーロ圏17カ国のなかで8番目に欧州金融安定化ファシリティー(EFSF)の新たな権限を承認した国となった。EFSFの権限拡大には、ソブリン債務危機が及ぼす経済的な影響を抑える措置として、流通市場で債券を買い入れる権利や、銀行への資本再注入基金の提供などが含まれる。ギリシャがデフォルトに陥ると、アイルランドやポルトガル、スペインなど、そのほかの債務に苦しむ経済諸国を脅かす可能性があり、進展は緩やかだが、欧州の指導者らは引き続きギリシャのデフォルトの防止を強く希望している。...
ユーロ圏が債務危機に歯止めをかける能力に対する疑問が再燃し、ユーロは一時、8カ月ぶりの安値をつけたが、その後欧州当局が支援手段の強化に向けた新たな政策を検討しているとの観測を受けて反発した。前週末に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、世界の景気低迷について協議が行われた。しかし、ギリシャの破綻の可能性が強まっていることで世界の金融システムに衝撃が広がらないよう具体策を提示することもなく、会議は終了した。投資家は失望し、ユーロは1月半ば以来の安値まで売り込まれた。...
ユーロが1週間の大幅な下げからやや持ち直した。週末に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議で、問題を抱える欧州の銀行に対する支援を主要国が強化する可能性があると投資家がみたためだ。ギリシャがただちにデフォルト(債務不履行)に陥ることはないと欧州の首脳らが否定しているにもかかわらず、そうした事態が世界経済のリセッション(景気後退)につながる可能性を投資家らは深刻に懸念している。新興市場諸国の通貨や株式、商品相場はすべて、2008年の危機が再現することを恐れてこの1週間で急落した。当時、世界の金融システムを揺るがしたリーマン・ブラザーズの立場を、投資家らはギリシャに置き換えてみている。...
ユーロは円に対し10年ぶりの安値を付けた前日から持ち直した。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議声明が「力強く協調し国際的に対応することを確約する」と表明したことが安心感を生んだ。東京時間午後1時38分現在、ユーロは対円で103円03銭。ニューヨーク前日は102円64銭。同日は一時、102円22銭まで下げていた。対ドルは1ユーロ=1.3501ドル(前日は1.3465ドル)。 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は22日、世界が新たなリセッションの瀬戸際にあるとの懸念から株価が急落する中で、世界経済へのリスク増大に対処すると公約するとともに、欧州にソブリン債務危機の抑制を迫った。G20はワシントンでの会合後の声明で、「世界経済が直面する新たな課題に対し、力強く協調し国際的に対応することを確約する」と強調した。安住淳財務相によると、多くの国が欧州に対し、7月に約束した欧州金融安定ファシリティーの拡充の実行を求めた。...
米連邦準備制度理事会が待望の景気刺激策である「オペレーション・ツイスト」の導入を発表したことを受け、ドルが上昇した。FRBは20日・21日に開いた連邦公開市場委員会で、4,000億ドルの短期米国債を売却して同額の長期国債を購入するツイストオペの実施を決定したが、この判断は「市場の予想とほぼぴったり一致した」と、ロイヤルバンク・オブ・スコットランドの外国為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏は指摘した。 この国債売買は、長期金利の押し下げによって経済に刺激を与えるための試みだ。ただ、量的緩和として知られるこれまでの債券買い入れプログラムの重要な特徴である、マネーサプライの増加にはつながらない。FRBが昨年夏に打ち出した量的緩和第2弾は、ここ1年に及ぶドル安の重要な背景だった。...
米連邦準備制度理事会が新たな刺激策を発表するかどうかをめぐって様子見ムードが広がるなか、ドルは他国通貨に対してまちまちの値動きを示した。トレーダーらは、2日間にわたる米連邦公開市場委員会が終了する21日にFRBがツイストオペを発表すると見込んでいる。FRBはこの計画の下で、2兆7,000億ドル規模のバランスシートの平均年限を長期化することにより、長期金利の引き下げと景気の浮揚を目指すとみられる。 FOMCの結果は依然として不透明なため、ドルはユーロや円などの通貨に対してほぼ横ばいに近い動きとなった。ユーロの短期的な見通しもまったく不透明な状況にある。ギリシャ財務省は現在、「トロイカ」と呼ばれる欧州委員会、欧州中央銀行、国際通貨基金の3機関に対し、財政赤字削減目標が達成可能であることを証明しようとしている。焦点となっているのは80億ユーロのつなぎ融資で、これがなければギリシャは10月中旬までに債務返済などの資金が枯渇することになるという。...
米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は19日、イタリア国債の格付けを1ノッチ引き下げ「シングルA」とした。経済成長の弱さと連立政権の脆弱(ぜいじゃく)さのために、高まるユーロ圏危機の阻止が難しいことが理由という。ユーロ圏3位の経済規模を持つイタリアは欧州債務危機拡大の影響や10年以上にわたる国内の成長停滞に取り組んできたが、今回のニュースは同国がさらに後退したことを示す。 シングルAの格付けは、投機的等級より5段階高い。アウトルックはネガティブに据え置かれた。経済成長に対する見通しが悪化している上、政府が分裂しているため議会がこうした課題に断固として対応する力は限られる公算が大きいことを反映している。S&Pのイタリア国債格付けはムーディーズやフィッチより低い。今回の格下げで、ムーディーズに対して同国の格下げを求める圧力がさらに強まる可能性がある。ムーディーズは10月半ばまでに同国格付けの見直しを完了する予定。イタリアに対する現在の格付けはS&Pより3ノッチ、フィッチより1ノッチ高い。...